段ボールにはシロアリのエサとなるセルロースが含まれており、自宅に置いておくだけで被害を受けるリスクがあることをご存知でしょうか。
「まさか段ボールが…」と思われる方も多いかもしれませんが、全国各地でシロアリによる段ボール被害が発生しています。
被害を放置すると、床や柱にまで食害が広がる恐れがあります。
この記事では、段ボールがシロアリに狙われる理由や被害の見分け方、シロアリ対策と予防方法、発見した際の対処法についてわかりやすく解説します。
段ボールはシロアリのエサになる
段ボールがシロアリの被害を受けることは、意外と知られていません。
しかし実際には、段ボールはシロアリにとって格好のエサとなります。
ここでは、段ボールがシロアリに狙われる理由と、その他のエサとなる素材についてわかりやすく解説します。
シロアリが段ボールを食べる理由
シロアリの主な栄養源は、木材の主成分であるセルロースです。
セルロースは植物の細胞壁を構成する成分で、木材だけでなくあらゆる植物に含まれています。
シロアリはセルロースを分解して栄養源とする仕組みを持っており、植物由来の素材であれば木材以外でも被害を受けます。
段ボールにもセルロースが多く含まれているため、シロアリにとっては木材と同様のエサとなります。
さらに、段ボールは一般的な木材よりも柔らかく、湿気を吸収しやすい性質があります。
高温多湿な環境を好むシロアリにとって、水分を含んだ段ボールは非常に食べやすい素材です。
木材の場合は表面が硬いためシロアリに食べられるまでに時間がかかることもありますが、段ボールは柔らかいため短期間でボロボロになることがあります。
そのため、湿気のたまりやすい場所に置かれた段ボールは特に注意が必要です。
シロアリは段ボールの波状になった中芯部分を好んで食べる傾向があります。
中芯部分は空洞が多く、シロアリが巣を作りやすい構造になっているからです。
実際に、押し入れや床下に長期間放置された段ボールの中にシロアリが巣を作っていたというケースも報告されています。
セルロースを含む素材一覧

シロアリは段ボール以外にも、セルロースを含む素材であれば何でもエサにします。
代表的な素材は以下の通りです。
1.木材(住宅の柱・床・梁などの構造材)
2.新聞紙・本・雑誌・壁紙
3.畳・衣類
4.枯れ木・切り株・ウッドデッキ
5.枕木・杭
これらはすべてシロアリの被害対象となる可能性があります。
特に湿気のたまりやすい場所や屋外に放置されたものは、シロアリに狙われるリスクが高まります。
また、段ボールと木材が近くに置かれている場合、段ボールから木材へと被害が拡大するケースもあるため、セルロースを含む素材はまとめて管理することが大切です。
シロアリが好む環境と侵入経路
シロアリが好む環境を理解しておくことで、段ボールや家屋への被害を未然に防ぐことができます。
ここでは、シロアリが好む環境と、家の中への主な侵入経路についてわかりやすく解説します。
シロアリが好む環境とは
シロアリは高温多湿な環境を好みます。
特に湿気の多い梅雨期から夏にかけての時期は活動が活発になります。
床下や浴室まわり、台所など水まわりに近い場所は湿気がたまりやすく、シロアリが発生しやすい環境です。
また、シロアリは光と乾燥が苦手なため、暗くて湿った場所に潜みます。
家の中でも普段目が届きにくい押し入れの奥や床下などは特に注意が必要です。
シロアリは乾燥に非常に弱く、日光に当たると体内の水分が奪われ短時間で死滅してしまいます。
そのため、通気性を確保して湿気をためないことがシロアリ対策の基本となります。
また、シロアリは金属やガラス、コンクリートなどは食べられませんが、エサ場にたどり着くためにこれらの障害物を噛みちぎって移動することもあります。
蟻道からの侵入
シロアリが地上で活動する際は、日光を避けるために蟻道と呼ばれるトンネルを作りながら移動します。
蟻道は土と排泄物や分泌液を混ぜ合わせて作られており、見た目は茶色の筋状です。
床下や基礎部分、壁の内側などに茶色い筋が見られる場合は、すでにシロアリが侵入している可能性があります。
蟻道は玄関まわりの基礎コンクリートや浴室の壁際など、湿気の多い場所に作られやすい傾向があります。
蟻道を発見した場合は自分で壊さず、早急に専門業者に相談することが大切です。
羽アリが屋内に侵入する経路
シロアリの巣の中には、繁殖期を迎えると羽が生えた羽アリが発生します。
羽アリは一斉に飛び立つ群飛と呼ばれる行動をとり、窓やベランダの隙間から屋内に侵入することがあります。
国内で主に被害をもたらすシロアリの種類と群飛の時期は以下の通りです。
1.ヤマトシロアリ → 4月下旬 ~ 5月の昼間
2.イエシロアリ → 5月 ~ 7月の夕方から夜
3.アメリカカンザイシロアリ → 3月 ~ 11月の昼間
羽アリを室内で見かけた場合は、近くにシロアリの巣がある可能性が高いため、放置せずに早めに対処することが大切です。
なお、黒アリにも羽アリが発生しますが、シロアリの羽アリと黒アリの羽アリは見た目が異なります。
シロアリの羽アリは前後の羽の大きさがほぼ同じで、体がずんぐりとしているのが特徴です。
段ボールのシロアリ被害を見分ける方法
段ボールがシロアリの被害を受けているかどうか、早めに気づくことが大切です。
ここでは、シロアリ被害のサインと段ボール周辺のチェックポイントについてわかりやすく解説します。
シロアリ被害のサイン
シロアリ被害には、いくつかの分かりやすいサインがあります。
以下の点に注意して確認しましょう。
1.段ボールに茶色い泥の筋が付いている
茶色い泥の筋はシロアリが移動する際に作る蟻道の痕跡です。
段ボールの表面や側面に筋状の汚れが見られる場合は、シロアリが通った可能性があります。
2.段ボールがボロボロになっている
内側から食べられるため、表面は一見きれいに見えても、持ち上げると崩れるほど傷んでいる場合があります。
特に底面や角の部分は確認しにくいため注意が必要です。
3.白い虫や羽アリを見かける
白っぽいアリ状の虫(働きアリ)や羽アリを段ボールの周辺で見かけた場合は、シロアリ被害が進行している可能性が高いです。
段ボール周辺のチェックポイント
段ボールにシロアリ被害がないか確認する際は、以下のポイントを重点的にチェックしましょう。
1.段ボールの底面と側面
床や壁と接している部分はシロアリが侵入しやすいため、必ず確認しましょう。
2.段ボールの周辺の床や壁
段ボール自体だけでなく、周辺の床や壁にも蟻道がないか確認することが大切です。
3.押し入れや収納スペースの奥
普段目が届きにくい場所こそ、シロアリが潜みやすい環境です。
定期的に確認する習慣をつけましょう。
4.屋外に放置した段ボール
庭先やベランダに放置した段ボールは特にシロアリに狙われやすいため、早急に処分しましょう。
段ボールのシロアリ対策と予防方法
段ボールへのシロアリ被害を防ぐには、段ボールの保管場所と環境管理が重要です。
ここでは、段ボールを置いてはいけない場所と、湿気・風通しの管理、長期保管の際の対策についてわかりやすく解説します。
段ボールを置いてはいけない場所

シロアリに狙われやすい場所への段ボールの放置は避けることが予防の基本です。
特に以下の場所には置かないようにしましょう。
1.床下
床下は湿気が多く、土壌からシロアリが侵入しやすい場所です。
家屋のシロアリ被害のほとんどは床下を経由して発生します。
床下には通気口が設けられていますが、物で塞がれていると湿気がたまりやすくなります。
床下への段ボールの保管は絶対に避けましょう。
2.水まわりに近い場所
浴室や台所などの水まわりは湿気が高く、シロアリが発生しやすい環境です。
特に浴室まわりは結露や水漏れにより、木材や段ボールが湿気を吸収しやすい状態になっています。
これらの場所への段ボールの保管は避けましょう。
3.屋外
庭先やベランダ、駐車場など屋外に段ボールを放置すると、地中からシロアリがすぐに集まります。
特に雨に濡れた段ボールは水分を多く含み、シロアリにとって格好のエサ場となります。
屋外への段ボールの放置は厳禁です。
4.壁や床に密着した場所
壁や床に密着させた状態で段ボールを置くと、通気性が悪くなり湿気がたまりやすくなります。
段ボールと壁・床の間に隙間がない状態が続くと、シロアリが気づかないうちに侵入している可能性があります。
5.押し入れや収納スペースの奥
普段目が届きにくい押し入れや収納スペースの奥も要注意です。
長期間放置された段ボールは湿気を吸収しやすく、シロアリが発生していても気づきにくい場所です。
湿気と風通しの管理
段ボールをどうしても保管しなければならない場合は、以下の点に注意しましょう。
壁や床から少し隙間を空けて置き、空気が循環しやすい状態を保ちましょう。
収納場所は定期的に換気し、除湿機や湿気取り剤を活用して湿度を下げることが大切です。
また、段ボールを日光に当てて乾燥させることも効果的です。
湿気がたまりやすい季節は特に注意が必要で、こまめに状態を確認することをおすすめします。
長期保管はプラスチックに切替える
段ボールが不要になったら早めに処分することが最善の対策です。
どうしても長期間保管が必要な場合は、段ボールではなくプラスチック製の収納ボックスに中身を移して保管することをおすすめします。
プラスチックはセルロースを含まないため、シロアリの被害を受ける可能性が大幅に下がります。
また、クローゼットや押し入れの中に段ボールを長期間保管している場合も、定期的に内容物を確認し、シロアリ被害のサインがないかチェックする習慣をつけましょう。
段ボールの底面や側面に茶色い泥の筋がないか、段ボールが不自然に柔らかくなっていないかを定期的に確認することが早期発見につながります。
段ボールにシロアリを発見した際の対処
段ボールにシロアリを発見した場合は、慌てずに落ち着いて対処することが大切です。
ここでは、すぐにできる応急処置と、完全駆除のための専門業者への依頼についてわかりやすく解説します。
すぐにできる応急処置
段ボールにシロアリを発見したら、まずは以下の応急処置を速やかに行いましょう。
1.段ボールをすぐに処分する
被害を受けた段ボールは大きなゴミ袋に入れてすぐに処分しましょう。
袋はしっかりと口を縛り、室内にシロアリが残らないようにします。
処分する際は段ボールを揺らしたり叩いたりせず、そのまま袋に入れることがポイントです。
2.掃除機で吸い込む
段ボールの周辺に散らばったシロアリは掃除機で吸い込みましょう。
掃除機の圧力でほとんどのシロアリは死滅します。
後処理が楽な紙パックタイプの掃除機がおすすめです。
吸い込んだ後は紙パックごと捨てましょう。
3.粘着テープや粘着シートを活用する
早朝や深夜など掃除機の音が気になる時間帯は、粘着テープや粘着シートを使いましょう。
侵入経路と思われる場所に粘着テープを貼ることで、新たな侵入を防ぐ効果もあります。
4.周辺を点検する
問題の段ボール周辺に他の段ボールや木製品がある場合は、被害が及んでいないか確認しましょう。
壁際に蟻道や羽アリの翅が落ちていないかもチェックすることが大切です。
完全駆除は専門業者に依頼する
応急処置はあくまでも一時的な対処に過ぎません。
シロアリを完全に駆除するには、専門業者への依頼が必要です。
段ボールにシロアリが発生している場合、すでに床下や壁の内部にまで被害が及んでいる可能性があります。
専門業者はプロの目で被害範囲を正確に調査し、適切な方法で駆除を行います。
専門業者が行う駆除方法には主に薬剤施工とベイト工法の2種類があります。
薬剤施工は専用薬剤を土壌や木材に散布・注入してシロアリを駆除する方法で、即効性があります。
一方のベイト工法はベイト剤を混ぜたエサをシロアリに持ち帰らせ、巣ごと駆除する方法です。
駆除までに1ヶ月から3ヶ月程度かかりますが、薬剤の使用量が少ないため環境への負担が小さいという特徴があります。
どちらの方法を採用するかは被害の状況によって異なるため、まずは専門業者に相談して判断してもらいましょう。
なお、多くの専門業者では無料で調査・見積もりを行っていますので、気になる場合は早めに問い合わせることをおすすめします。
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まとめ
段ボールはシロアリのエサとなるセルロースを多く含んでおり、置き場所や管理方法を誤ると被害を受けるリスクがあります。
特に湿気のたまりやすい場所や屋外への放置は厳禁です。
シロアリ被害のサインに気づいたら、まずは応急処置を行い、早めに専門業者に相談しましょう。
被害は早期発見・早期対処が重要です。
段ボールの保管方法を少し工夫するだけで、シロアリ被害のリスクを大幅に下げることができます。
大切な家をシロアリから守るために、今日からできる予防策を実践しましょう。